【考察】Outer Wilds: Echoes of the Eye 感想

Outer WildsのDLC「Echoes of the Eye」もプレイしたところ、本編の補完として相応しい完成度で、別の切り口のテーマとしても興味深かったので追記ということで振り返ってみた。
ちなみに本編クリア後の感想&考察記事はこちら。

研究という「手段」と好奇心という「動機」

端的に言うと、Outer Wilds本編が「研究という手段」を描いた物語だとすれば、Echoes of the Eyeは「好奇心という動機」を掘り下げたDLCであると思う。
DLC終盤では、Nomaiが宇宙の眼の信号を捉えてこの星系にやってきたそもそものきっかけは、"流れ者"の種族の1人が好奇心から種族の禁を破り、宇宙の眼の封印を解除してしまったことだということが明かされる。

未知なるものに対する「恐怖」と「好奇心」という対比

DLCの進め方は概ね本編と同じく「未知のルールに対する仮説と検証」で進んでいく訳だが、DLCの仕掛けの特徴として「暗闇を照らすこと」と「隠すこと」、および「『恐怖』を感じさせるシーケンス」が存在する。
個人的にはこれがEchoes of the Eyeで語りたかったものを象徴していると思う。

本編は「何もない宇宙の謎を解き明かし、真理にたどり着く」ものだったのに対し、DLC後半の"流れ者"の住人たちは明確に「敵意を持った存在」として立ちはだかってくる。
彼らはかつて宇宙の眼を発見し、「恐怖」からその存在を隠蔽し、過去に閉じこもった存在である。
彼らの存在こそがまさに、彼らが抱いた「未知への恐怖」の具現化として主人公の前に現れるのだ。

このDLCを攻略するためには、これらの「恐怖」に打ち勝ち、「怖くてもその先を見たい」という好奇心が必要となっている。この「恐怖に打ち勝つ好奇心」こそがEchoes of the Eyeの体験の本質なのではないだろうか。

恐怖を乗り越えて保管庫の封印を解くと、中にいたのはかつて種族全体の恐怖に抗い、たった1人で眼の封印を解いた"囚人"だったことが明らかになる。
以前本編の感想で、本編は「Nomaiが行った研究の追体験」であると考察したが、それと対比するようにDLCは「"囚人"が抱いた好奇心の追体験」だという解釈ができる。
彼と出会い、ビジョントーチでお互いの知る"真相"を共有した時、不思議と親しみを覚えた。それは主人公が今までやってきたことが「未知に対する好奇心」によるものだったと気付かされるからだ。

そして旅立っていく"囚人"が遺したビジョントーチを見ると、2人が一緒に未知の光へ向かって旅立つ光景が映る。
これは"囚人"と主人公が同じ「好奇心」を持つ友人であり、ほんの短時間であったが共感できたことの答えなのだ。

見方によってはあっさりとした終わり方だが、"囚人"との出会いは本当に強く印象に残る良い終わり方だったと思う。
願わくば、スピンオフでもいいのでHearthianと流れ者の2人が平和になった宇宙を冒険していくアドベンチャーゲームを作ってくれることを切望している。